キャセイパシフィック航空 2050年までに温室効果ガスの排出量を 実質ゼロにする方針を決定
持続可能な航空燃料、カーボン・オフセット、排出量の削減が、 より環境に優しい航空産業の創生の鍵に
航空業界が排出する人為起源のCO2量は、新型コロナウィルスの世界的流行以前においても全世界の排出量のわずか3%以下でしたが、当社では、業界内屈指の国際航空会社として、持続可能な航空業界の実現に向けた取り組みを先導し、次世代の旅客にも安心して旅を楽しめる環境を築きたいと考えています。
カーボンニュートラルを達成するために、特に注力していくエリアは以下のとおりです。
- 持続可能な航空燃料への投資: 当グループでは、主要な運航燃料として導入できるよう、持続可能な航空燃料(SAF)の使用量を断続的に増やしています。SAFは従来のジェット燃料と比較した場合、ライフサイクル全体で排出量を最大80%まで削減可能であるとされています。当社は2014年、一般廃棄物由来のバイオジェット燃料製造事業社のパイオニアとされる、Fulcrum BioEnergy社への出資を行なった世界初の航空会社となりました。今後10年間で、計110万トンのSAFを購入することを決定しており、これは2023年以降の当社が必要とする総燃料の約2%を占める量です。
- 温室効果ガス排出の相殺(カーボン・オフセット): 当社では、乗客が自らの搭乗便から排出されるCO2量に応じ、現金やマイレージで、世界自然保護基金(WWF)のゴールド・スタンダードの認証を得ている外部組織が展開するカーボン・オフセット活動を支援できるというユニークなプログラム、「Fly Greener」を導入しています。さらに2007年からは、自社社員の業務渡航から発生するCO2を相殺するプログラムも実施していて、これまでに総計30万トンを超える温室効果ガスを相殺しています。
- 運航効率性の向上による排出量の削減: 当グループでは、燃料効率の高い、新たな機材へのアップグレード、飛行中以外のエンジン使用の削減などの施策を通じても、温室効果ガス排出量の削減へ継続的に取り組んでおり、2030年末までに地上排出量を2018年のレベルから32%削減する目標を定めています。
「未曾有の新型コロナウィルスのパンデミックは世界を大きく揺るがし、差し迫った世界的リスクに対処するには、『ビジネス・アズ・ユージュアル(通常通りのビジネス)』は選択肢になりえないことを私たちに示しました。 世界的な気候変動は、潜在的にはるかに破壊的な危機であり、これまで以上に入念な取り組みが必要とされるでしょう。当社の排出量実質ゼロの誓約は、国際連合の気候変動政府間パネル(IPCC)およびパリ協定で提唱されている条件を満たしつつ、保有機材体制やカーボン・オフセットのみならず、持続可能な航空燃料へのさらなる投資、新技術の開発についての弊社の戦略に対する指針を明確化するものです。」(キャセイパシフィック航空の最高経営責任者、オーガスタス・タンのコメント)
温室効果ガスの排出量の実質ゼロを達成するための取り組みをはじめ、持続可能な開発に関する当社の活動の詳細については、2020年版の「サステイナブル・ディベロップメント・レポート(持続可能な開発に向けた活動レポート)」をご覧ください。こちらからダウンロードが可能です。