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キャセイパシフィック航空2022年度上半期の決算を発表

キャセイパシフィック航空2022年度上半期の決算を発表

 

 

2022年上半期

2021年上半期

前年同期比

総売上高

百万香港ドル

18,551

15,854

+17.0%

純利益 (損失)

百万香港ドル

(4,999)

(7,565)

-33.9%

一株あたり利益 (損失)

香港セント

(82.3)

(122.1)

-32.6%

一株あたり配当金

香港ドル

-

-    

-

キャセイパシフィックグループ(本社:香港、最高経営責任者、オーガスタス・タン)はこのたび、2022年度上半期(1〜6月)の決算を公表しました。上半期決算の発表に伴う、キャセイパシフィック航空の会長、パトリック・ヒーリーによる声明は以下のとおりです。

キャセイパシフィック 会長の声明

キャセイパシフィックグループにとって2022 年の始まりは非常に厳しいものでした。新型コロナウイルス感染症は2年以上にわたり全世界の航空業界に前例のない影響を及ぼし続け、新たな変異株の出現に伴い、ビジネス環境は改善と大幅な後退を繰り返しています。2022年上半期の状況は2021 年上半期とほぼ変わりありませんでした。オミクロン変異株の世界的流行に伴い、特に香港と中国本土において、旅行と航空機運航に関する制限がより厳しくなり、弊社での航空機の運航が大幅に制限され、結果として旅行需要にも深刻な影響が及びました。

香港は本年1月初旬、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐべく、英国や米国などの弊社にとっての主要市場を含む9カ国からの香港への航空便の乗り入れ禁止、香港国際空港での乗り継ぎ(トランジット)および乗り換えの禁止などの措置を導入しました。香港をベースとする乗務員の検疫条件や、特定飛行ルートの運航禁止のルールもさらに強化されました。

これらの制限に伴い、2022 年の最初の数か月のビジネス環境は弊社にとって特に不利な状況を迎えることとなり、旅客および貨物部門双方の運航キャパシティを大幅に削減しました。ホームグラウンドである香港が新型コロナウイルスの感染拡大に伴う厳しい局面を迎えるなか、当社は香港と世界の間で人と必需物資の安全な移動をサポートし、必須とされる旅客および貨物の運航ネットワークを確保し続けました。

新型コロナウイルス感染症がもたらした様々な難題と、それらに対抗するために敷かれた制限の数々は、弊社の従業員、特に長期間にわたり隔離宿泊施設で過ごした数千人にもおよぶ乗務員には大きな負担をかけることとなりました。この非常に困難な時期に彼らが示した努力と、並外れたプロ意識に対し、心から感謝します。

本年5 月 1 日以降、これらの制限が段階的に緩和されたことは、前向きな進展でした。香港を拠点とする航空機乗務員に対するウイルス検査と検疫条件が簡易化されたことで、5 月と 6 月にはより多くの都市への便を段階的に再開することができました。この中には、ロンドン行きのデイリー旅客便と、通常の貨物便スケジュールの運航再開が含まれます。

キャセイパシフィック航空、その子会社および関連会社を含むキャセイパシフィック グループ全体の2022年上半期の損失は、合計49億9,900万香港ドルでした (2021 年上半期の損失は、 75 億 6,500 万香港ドル)。キャセイパシフィック航空単独の2022年上半期の税引後の損失は、15億100万香港ドルでした (2021 年上半期の損失は 50 億 3,100 万香港ドル)。子会社の損失配分は10億1,500万香港ドル (2021 年上半期の損失は12億2,400 万香港ドル)、関連会社の損失配分は24億8,300万香港ドル (2021 年上半期の損失は13億1,000万香港ドル) でした。

 

2022年度上半期 キャセイパシフィックの業績

現在も進行中である新型コロナウィルス感染症の世界的拡大に伴う渡航制限と検疫要件により、旅客便の運航に大幅な制約を受けています。2022年の上半期は、旅客便の輸送能力が前年同期比で26.6%減少しました。それにもかかわらず、2022年上半期の旅客収益は、前年同期比で177.6%増加し、20億6,800万香港ドルとなりました。2022年上半期の有償旅客キロ(RPK)は、前年同期比で129.7%増加しました。2022年上半期の総輸送旅客人数は、33万5,000人、1日あたりの平均旅客数は1,853人で、前年同期との比較において 113.4% 増加しました。座席占有率は59.2%でした(2021 年上半期は 18.9%)。

香港を拠点とする乗務員に対する制限と検疫要件により、貨物部門の業績も同様の影響を受けました。輸送能力を示す有効貨物トンキロ (AFTK) が 前年同期比で31%減少しました。輸送貨物重量は 4.2% 減少して 52万6,000トンになりました。売上高は121億4,800万香港ドルで、2021 年上半期と比較して9.3% 増加しました。貨物積載率は75.8% と高い水準をキープし(2021 年上半期は 81.4%)、貨物イールド(貨物1トンの1キロメートル輸送あたりの収入)は69.7% 増加して5.72香港ドルになりました。

新型コロナウイルス感染症の世界的流行が始まって以降、弊社は慎重なコスト管理に注力し続けています。燃料費以外の費用を、2021 年上半期と比較し4.9%減少させ、160億5,600万香港ドルとしました。2022 年上半期のキャセイパシフィックの総燃料費 (燃料ヘッジの影響前) は前年同期比で、14億5,800万香港ドル (または54.8%) 増加しました。

 

2022年度上半期 関連会社と子会社の業績

香港エクスプレスは2022 年上半期、8億2,400万香港ドルの損失を計上しました (2021 年上半期の損失は、9 億 7,600 万香港ドル)。 香港を拠点とする乗務員に対する検疫条件と厳しい渡航制限が業績に多大なる影響を及ぼしました。

エアホンコンは2022 年上半期、3億8,300万香港ドルの利益を計上しました (2021 年上半期の利益は3億7,400 万香港ドル)。香港ベースの航空機乗務員に対する検疫条件が、更なる貨物輸送キャパシティ増加の妨げとなりました。

当グループの航空関連の子会社の財務実績は、2021 年上半期よりも全般的に改善していますが、それでもなお、輸送旅客数と貨物量の大幅な減少の影響を受け続けています。

中国国際航空の業績(3ヶ月遅れで決算書に計上)は新型コロナウイルス感染症の世界的拡大の影響を受け、前年同期計上分より悪化しました。

 

財務状況

年初の厳しいビジネス環境は、当社の月次営業キャッシュフローに悪影響を及ぼしました。しかし、香港特別行政区政府が本年5月1日、渡航制限と検疫条件を緩和したことで、予想を上回る月次キャッシュフローを確保することができ、上半期の後編に向けてはプラスの営業キャッシュフローを実現することができました。新型コロナウイルス感染症パンデミックの今後の見通しは依然不明瞭であるため、当社では引き続き慎重なキャッシュフロー管理に注力し、今後も営業キャッシュフローをプラスにすることを目標としています。

2022 年 6 月 30 日の時点で、利用可能な制限なし流動資産は 267億香港ドルでした。当グループが利用可能な78 億香港ドルのつなぎ融資枠の行使期間を 2023 年 6 月 8 日まで、追加で12 ヵ月延長することに同意してくれた香港特別行政区政府に感謝します。これにより、当グループの資産流動性をより柔軟に管理することが可能となります。

 

今後の見通し

今後の見通しですが、香港に到着する旅客の検疫措置が最近緩和されたことで、海外渡航に対する消費者の心理状況が好転することが期待されています。当社では現在、2022 年末までに、旅客便の運航キャパシティをコロナ禍以前の 4 分の 1 まで、貨物便の運航キャパシティを 65% まで段階的に戻していくことを目標としています。これにより、キャセイパシフィックおよび子会社の下半期の業績が改善する基盤が整うと考えます。一方、関連子会社の業績 (その大部分は3ヶ月遅れで決算書に計上) は、依然として非常に厳しいものになるでしょう。

香港のホームキャリアとして、弊社は香港と世界とのコネクションを再開することに全力を注いでいます。弊社の「故郷」とも言える香港を今後も全力で支援し続けることに変わりませんが、現状の検疫条件があることで、乗務員の運用には限界があり、その結果として飛行キャパシティが大幅に制限されています。香港ベースの乗務員に対する現状の渡航制限と検疫条件が緩和されない限り、運航キャパシティを増やすことが出来かねる状況です。

中国政府が発表した第14次五カ年計画では、香港が中国全体の発展において果たす役割が制定されおり、業界をリードする国際航空ハブとしての香港の地位向上を支援する旨を記述しています。そして本年7月に香港国際空港の第 3 滑走路での運航が開始されたことは、当社にとって大きな自信となります。香港の継続的な経済発展に不可欠な、国際航空ハブの復活にむけ、積極的な役割を果たしていくつもりです。

国境が再開することを期待しつつ、弊社では世界的な旅行需要の高まりに対応できるよう積極的に準備を進めています。その一環として、海外に駐機していた航空機を香港に戻し、今後 1年半から2年の間で、オペレーションに必要なフロントライン従業員を4,000 人以上雇用すべく、包括的な採用計画に基づき活動を開始しています。

最後に、これまでになく困難な状況が続く中、航空会社として運航を維持するためにたゆまぬ努力を続ける全従業員の熱意と高いプロ意識に感謝の意を表します。当社の組織を支える屋台骨であり、航空業界をリードする当社のサービスの中心を担っているのは従業員です。

2022年8月10日

キャセイパシフィック航空 会長
パトリック・ヒーリー