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キャセイパシフィック航空2023年度上半期の決算を発表

キャセイパシフィック航空2023年度上半期の決算を発表

 

 

2023年上半期

2022年上半期

前年同期比

総売上高

百万香港ドル

43,593

18,551

+135.0%

純利益 (損失)

百万香港ドル

4,268

(4,999)

+9,267

一株あたり利益 (損失)

香港セント

61.5

(82.3)

+143.8

一株あたり配当金

香港ドル

-

-

-

キャセイグループ(本社:香港、最高経営責任者、ロナルド・ラム)はこのたび、2023年度上半期(1〜6月)の決算を公表しました。上半期決算の発表に伴う、キャセイパシフィック航空の会長、パトリック・ヒーリーによる声明は以下のとおりです。

キャセイパシフィックの会長の声明

キャセイグループにとって2023年度上半期は、香港と中国本土の国境が全面的に再開したことを受け、ハブとして各地を繋ぐ香港国際空港の再構築に取り組むなど建設的な期間となりました。香港を本拠地とする航空会社として私どもは増加する旅行需要に対応するべく、運航便数および就航都市を増やすことに重点を置いており、こうした取り組みは順調に進んでいます。

当社グループの旅客便は本年3月時点で70都市に就航し、輸送能力はパンデミック前の50%まで戻り、以降も拡大し続けています。さらに旅客機での貨物容量を拡大したことで、貨物顧客へより多くの選択肢をご提供できるようになりました。これらの要因から航空会社の業績は引き続き改善傾向にあります。

キャセイグループは、子会社および関連会社を含み全体で2023年度上半期は42億6,800万香港ドルの帰属利益を計上しました。(2022年度上半期:49億9,900万香港ドルの損失)。この利益には19億香港ドルの一時的な現金以外の利益が含まれています。2023年度上半期の普通株1株当たりの利益は61.5香港セント(2022年度上半期:普通株1株当たり損失82.3香港セント)でした。

キャセイパシフィック航空と子会社では、2023年度上半期に、例外的項目を除き、47億6,300万香港ドルの帰属利益を計上しました。(2022年度上半期:25億1,600万香港ドルの損失)。一方、関連会社の業績は、その大半が3ヶ月遅れで確定し、26億3,200万香港ドルの帰属損失となっています。(2022年度上半期:24億8,300万香港ドルの損失)。

2023年度上半期 キャセイパシフィックの業績

2023年度上半期、キャセイパシフィック航空の旅客収益は、前年同期比1,109.5%増の250億1,300万香港ドルとなりました。有効座席キロ(ASKs)で測定される旅客便の輸送能力は1,111.3%増加し、有償旅客キロ(RPKs)で測定される旅客輸送量は1,685.0%増加しました。2023年度上半期の総旅客数は780万人、1日平均43,184人となり、2022年度上半期を2,233.1%上回りました。ロードファクターは87.2%(2022年度上半期は59.2%)でした。

2023年度上半期の貨物収益は、世界的な航空貨物市場の低迷を反映し、前年同期比11.6%減の10億741万香港ドルでした。有効貨物トンキロ(AFTKs)は117.6%増加しました。輸送能力を示す有償貨物トンキロ(RFTKs)は83.0%の増加となり、総トン数は前年同期比23.8%増の65万1千トンに上りました。ロードファクターは63.8%(2022年度上半期は75.8%)、貨物イールドは51.7%減の2.76香港ドルとなりました。

当グループは、2023年度上半期に、エアチャイナのA株の売出募集が1月に完了したことに伴う利益の希薄化により、一時的に19億香港ドルの現金以外の利益が生じています。

運航便数の増加によりコストは増加し、2023 年上半期の燃料費以外のコストは前年同期比 53.5%増の 246憶3,900万香港ドルでした。キャセイパシフィック航空の総燃料費(燃料ヘッジの影響前)は、2022年度上半期に比べ60憶8,500万香港ドル(または147.8%)増加しました。

私どもは運航便数を増やすとともに、多くのラウンジの再開、一部のフライトでのファーストクラスの再開、さらに新しいプレミアムなダイニングのサービスの導入など、顧客体験を充実させました。いずれもお客様が真に価値を見出されるものを強化しています。

2023年度上半期 関連会社と子会社の業績

香港エクスプレスは2023年度上半期に3億3,300万香港ドルの利益を計上しました(2022年度上半期は8億2,400万香港ドルの損失)。同社は、特にアジアの近距離路線を中心に堅調な旅行需要を受け、4月には週420便を超えるフライトを運航し、パンデミック前の水準に戻りました。

エアホンコンは2023年度上半期に4憶200万香港ドルの利益を計上しました(2022年度上半期:3億8,300万香港ドルの利益)。同社の業績は一貫して堅調で安定しています。

航空関連子会社の事業は2023年度上半期に前年同期比で改善しましたが、一部の子会社の業績は、取扱量の増加にもかかわらず、支払利息の高騰により低下しました。

関連会社の損失は2022年度上半期に比べ増加しました。この損失は主に2022年第4四半期のCOVID-19の影響によるもので、上期決算に反映され、3ヶ月遅れでの計上となります。

財務状況

当グループは2023年においてこれまでキャッシュ・フローを生み出しており、2023年6月30日現在の利用可能な流動資産(制限無し)は289億香港ドルです。

6月6日に当社は、香港特別行政区(HKSAR)から供与された78億香港ドルのつなぎ融資枠が2023年6月8日の期限を迎える前に利用する必要はないことを発表しました。

当グループは2023年6月30日に、香港特別行政区(HKSAR)が保有する優先株式に対する15億2,400万香港ドルの繰り延べ配当金を支払い、配当金の支払いを完了しました。当グループは今後、優先株式配当はすべて支払期日までに支払う予定です。

私どもは、パンデミック中ならびにそれ以降の政府と株主の皆様の継続的な支援にこのうえなく感謝しています。

今後の見通し

当グループの再建はいまだ道半ばに過ぎませんが、2023年度上半期の業績は、当グループが順調に歩んでいることを実証しています。これをさらに裏付け、当グループは2023年末までに優先株式の50%を97億5,000万香港ドル超の償還価格で買い戻し、残りは提案されている減資の完了とその時点での業績状況に基づき、2024年7月末までに買い戻す予定です。

香港の国際空港ハブとしての接続性を回復させることに、引き続き当社は注力してまいります。2023年末までに80都市に就航し、パンデミック前の旅客輸送水準にする目標を達成する見込みであり、2024年末までに100%に達することを確信しています。

有名な業界ランキングでワールドベストエアラインのトップ10への入賞を喜ばしく思う一方で、業界全体を覆うパンデミック後の課題に依然として直面しており、お客様が望まれる最高のサービスレベルのご提供には未だに越えるべき障壁が残されています。私どもは、お客様により良い体験をご提供するための事業への投資を継続し、より多くの新しい機内プロダクトの導入を目指します。

貨物事業については、過去3年間の例外的な水準に比べ、引き続き緩やかな推移が見込まれますが、2023 年下半期を通じて堅調な業績が続き、従来からのピーク期を迎える第 3 四半期末には輸送貨物重量もやや改善すると予想しています。

私どもは、キャセイパシフィックを中心とする香港の国際空港ハブの未来は確固たるものであると確信しています。ハブとしての香港は、第14次5ヵ年計画における香港の全体的な発展において重要な役割を担っています。2024年末までに香港国際空港の第3滑走路が完全運用されること、そして当グループの拡大した拠点市場としてのグレーターベイエリア(GBA)の大きな可能性が、私どもの確信を後押ししています。私どもの本拠地である香港を世界に向けて発信すべく、プロモーション・キャンペーンや大規模なイベントを引き続き支援していきます。

感謝の言葉

キャセイパシフィックを代表し、サービスの向上と強化の取り組みにおいて、すべてのお客様からの変わらぬご支援に感謝申し上げます。この半年間、非常に多くのお客様が当社のフライトを再びご利用いただきましたことは、大変に有難く存じます。今後とも引き続きさらなるご利用のほどをお願い申し上げます。

また、弊社の社員全員にも心から感謝しています。彼らはこの数年間、非常に困難な状況に耐えてきましたが、彼らの熱意、意欲、そして実行力によりキャセイパシフィックの回復が大きく前進しました。私どもは、最大6週間分の給与を支給する特別報奨金を発表し、さらに、2023年から2025年にかけて、従業員への新しい利益分配制度も導入する予定です。

より良いキャセイパシフィックを再構築するには、多くのやるべきことがありますが、着実に進んでいます。世界有数のサービス・ブランドになるというビジョンの達成に向け、香港の継続的な発展に貢献するという決意に変わりはありません。

2023年8月10日
キャセイパシフィック航空 会長
パトリック・ヒーリー