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キャセイパシフィック航空2019年度上半期決算を発表

キャセイパシフィック航空2019年度上半期決算を発表

 

 

 

2019年上半期

2018年上半期

前年同期比

総売上高

百万香港ドル

53,547

53,078

+0.9%

純利益

百万香港ドル

1,347

(263)

+1,610

一株あたり利益

香港セント

34.2

(6.7)

+40.9

一株あたり配当金

香港ドル

0.18

0.10

+0.08

 

キャセイパシフィックグループは、2019年度上半期の決算を発表しました。キャセイパシフィック航空の会長である ジョン・スローサーの声明は、以下の通りです。

 

キャセイパシフィック航空 会長の書簡

  要

キャセイパシフィックは今年、高い機動性と競争力を備えた無駄のない企業体質の確立に向けた3カ年計画の最終年を迎えています。この企業改革は現在も継続しており、黒字へと転換した2018年度決算に示されたとおり、着実に成果をあげています。2019年上半期の業績も引き続き順調に推移してはいるものの、国際政治的緊張の高まりと貿易摩擦の深刻化に伴い、航空業界を取り巻く環境は一層厳しさを増しています。

キャセイパシフィックグループの2019年度上半期(1〜6月)決算における純損益は、前年同期の2億6300万香港ドルの赤字から13億4700万香港ドル(約183億1900万円、1香港ドル=約13.6円)の黒字に転じました。2019年上半期における一株あたりの損益も、前年同期の6.7香港セントの損失から34.2香港セントの利益へ転換しました。キャセイパシフィック航空とキャセイドラゴン航空の2社を合わせた2019年上半期の業績は、前年同期の9億400万香港ドルの純損失から、6億1500万香港ドルの黒字となりました。旅客事業の売上は満足のいくものでしたが、旅客単価は全般的に低下しました。貨物事業の業績は、米中貿易摩擦の影響もあって輸送量、貨物単価ともに低下しました。燃料価格の下降が上半期の利益を押し上げた反面、米ドル高が押し下げ要因となりました。

 

事業業績

2019年上半期における旅客事業の売上高は前年同期比5.6%増の374億4900万香港ドルを計上し、供給座席数は6.7%増えました。2018年に開設した新規路線、2019年に入ってから新設した2路線、既存路線での増便、高需要路線への大型機材投入などが売上増の主な要因となりました。座席占有率は前年同期と同じ84.2%でした。輸送旅客人数は前年同期比4.4%増の1830万人にのぼりましたが、上級クラスと長距離路線のエコノミークラスでの競争激化と為替変動が不利に働いたことで、イールド(旅客1人の1キロメートル輸送あたりの収入)は0.9%減の54.9香港セントとなりました。

キャセイパシフィックは香港/シアトル線での通年運航を3月に開始したのに続けて、4月には香港/小松線を季節運航により開設しました。これらの路線は順調に推移すると同時に、アジア最大の国際航空輸送拠点である香港の地位向上に寄与しています。

2019年上半期における貨物事業の売上高は、米中貿易摩擦の影響による世界貿易の鈍化を反映し減少しました。貨物輸送量とイールド(貨物1トンの1キロメートル輸送あたりの収入)も減少となりました。グループの売上高は前年同期比11.4%減の114億9800万香港ドルにとどまりました。キャセイパシフィックとキャセイドラゴンを合わせた2社の貨物輸送能力は、新たに受領した旅客機の貨物搭載スペースが増えたことにより1.1%増強されました。需要の低迷に伴い貨物専用機の運航を調整する一方、特殊貨物の輸送に注力しました。貨物占有率は4.9ポイント低下し63.4%、輸送貨物重量は5.7%減の97万9000トン、イールドは2.6%減の1.88香港ドルとなりました。

上半期におけるキャセイパシフィックとキャセイドラゴンの燃料費(燃料ヘッジによる影響を除く)の総額は、消費量が2.0%増えたものの平均価格が 6.5%低下したのを反映し、前年同期から6億7400万香港ドル(4.5%に相当)減少しました。燃料費はグループ最大のコスト要因で、2019年上半期における事業コスト全体の28.2%(前年同期は30.1%)を占めています。燃料ヘッジによる損失も減少し、ヘッジの影響を加味した燃料費は前年同期を12億1300万香港ドル(7.7%に相当)下回りました。燃費効率に優れた運航機材の導入を進めることにより、有効トンキロあたりの燃料消費量は1.5%減少しました。

生産性の向上と業務効率化に向けた取り組みが功を奏し、燃料費を除いた有効トンキロあたりのコストは2.6%減少し2.23香港ドルとなりました。為替変動と特別項目、新たな会計基準の採用に伴う影響を差し引くと、コスト低下率は0.9%となります。

子会社のグループ業績への貢献度は下がりましたが、関連会社からの貢献は増えました。

2019年上半期には4機のエアバスA350-1000型機を受領しました。向こう4年間に受領予定の発注済み機材は、2019年6月30日時点で計67機を数え、これらの最新鋭機に備わる優れた燃費性能により、運航効率が一層改善されます。

ボーイング777型機のエコノミークラスには、高画質スクリーンを搭載した最新型の座席を順次導入しており、プログラム数が一層増えた機内エンターテイメントを楽しむことができます。機内Wi-Fiはすでに全てのエアバスA350型機で提供しており、ボーイング777型機とエアバスA330型の全機への実装も進めています。

長距離路線のビジネスクラスでは、レストラン形式による新たな機内食サービスの導入を進めています。
7月には上海浦東国際空港のキャセイパシフィック・ラウンジをリニューアルオープンしました。フライトに大幅な遅延等が発生した場合の再予約の手順についても改善を図りました。顧客対応や接遇訓練の改善にも取り組んでいます。新たに導入した乗務員のペアリングシステムにより、キャセイパシフィックとキャセイドラゴンの乗務員がともにキャセイシティ(本社家屋)の同じ屋根の下でフライト乗務に就ける態勢を整えることで、業務効率のさらなる向上とコストの削減を実現しています。世界各地の支店においても人員および組織の再編を完了しています。

 

今後の見通し

グループ下半期の業績は上半期を上回るのが通例で、逆風が吹き不確実要因を抱えてはいるものの、今年も例年通りであることを期待しています。国際政治的緊張の高まりと貿易摩擦の深刻化により、世界経済、ひいては旅客と航空貨物の需要が影響を受け続けるものと思われます。香港における抗議活動により7月の香港へのインバウンド旅客数は減少し、この先の予約状況にも悪影響が及んでいます。米ドル高は今後も続くと予想されます。燃料コストはここしばらく減少していますが、不安定な燃料価格相場は今後も続くと見られます。企業改革に向けた継続的な取り組みは着実に進んでおり、長期にわたって持続的に成長できる企業体質を構築できると確信しています。先頃発表した新たなブランドコンセプト「MOVE BEYOND」は、既存の枠を”超え”て、私どもがお客様と株主にとって最高のものとなる決意を示すものです。私は将来に対して引き続き自信を持っています。

キャセイパシフィックは、70年以上にわたって香港のホームキャリアとして歩んでまいりました。これからも、この素晴らしい都市である香港とともに進みます。私どもは常に革新と挑戦を続けながら歴史を刻んで来ました。そして今後もアジア最大の国際航空輸送拠点である香港の地位を高めるために、多額の投資を続けていきます。

先頃発表した香港エクスプレス航空の買収完了は、新時代の幕開けを意味するものとなります。私どもは
香港エクスプレス航空の特徴であるローコストキャリア(LCC)の事業モデルを維持し、ネットワークを拡げながらキャセイパシフィックグループとの相乗効果を最大限に高めていく所存です。

 

2019年8月7日

キャセイパシフィック航空会長

ジョン・スローサー

 

キャセイパシフィックグループ

キャセイパシフィックグループは、東京(成田・羽田)、大阪、名古屋、福岡、札幌、沖縄、小松の日本7都市8空港と香港を結ぶ路線で毎日20便以上(台北経由便を含む)のルート最多便数を運航しています。ホームグラウンドの香港からは、世界約50カ国・地域、200都市以上にグローバルネットワークを拡げています。