キャセイパシフィック航空 2014年上半期決算を発表
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2014年上半期 |
2013年上半期 |
前年同期比 |
総売上高 |
百万香港ドル |
50,840 |
48,584 |
+4.6% |
最終利益 |
百万香港ドル |
347 |
24 |
+1,345.8% |
一株あたり利益 |
香港セント |
8.8 |
0.6 |
+1,366.7% |
一株あたり配当金 |
香港ドル |
0.10 |
0.06 |
+66.7% |
キャセイパシフィック航空グループは本日、2014年度上半期(2014年1〜6月)決算の最終利益が3億4,700万香港ドル(1.0香港ドル=約13.2円)となったことを発表した。前年同期の最終利益は2,400万香港ドルだった。一株あたりの利益は前年同期の0.6香港セントから8.8香港セントへと増加。総売上高も前年同期比4.6%増の508億4,000万香港ドルとなった。
2014年度上半期では数多くのマイナス要因が同航空グループの業績に大きく影響。中でも平均旅客単価(旅客1人を1キロメートル輸送することで得る収入の平均)の低下、航空貨物市場における長引く需要低迷と供給過多、高値で止まり続ける航空燃料価格、関連会社である中国国際航空の業績不振といった要因がマイナス影響を与えた。
2014年度上半期における燃料費は前年同期比で5.2%増加。依然として最大のコスト項目であることに変わりはなく上半期のコスト全体の37.9%を占めているが、前年同期と比べるとこの割合は0.9ポイント減少している。上半期では燃料ヘッジが功を奏して10億2,400万香港ドルのプラスという成果を収めたが、このうちの大半は未実現利益となっている。キャセイパシフィック航空では新機材の導入を進めることで燃料効率の改善に継続して取り組むとともに、徹底したコスト管理に努めている。
2014年上半期のキャセイパシフィック航空グループ旅客部門の収益は前年同期比4.4%増の365億2,000万香港ドル。香港とドーハ、ニューアークを結ぶ新たな路線開設や既存の長距離路線での増便に伴い旅客輸送能力も前年同期比5.3%増となった。座席占有率は2.3ポイント上昇し83.6%となったが、旅客数の増加は平均旅客単価を前年同期比3.5%減の66.6香港セントへと押し下げる格好となった。旅客需要は長距離路線の全クラスで堅調に推移。中近距離路線でも需要は押し並べて好調ではあったものの、競争激化に伴い平均旅客単価が圧迫されたのに加えて、一部の東南アジア路線では需要の低迷も見られた。
貨物部門の2014年上半期における収益は前年同期比3.4%増の116億6,300万香港ドル。キャセイパシフィック航空とドラゴン航空を合わせた貨物輸送能力は10.8%増で、貨物占有率も0.8ポイント上昇し63.2%となったものの、貨物単価(貨物1トンを1キロメートル輸送することで得る収入の平均)は6.9%減の2.17香港ドルへと下がった。航空貨物業界における供給過多は依然として大きな懸念材料で運賃の値上げを困難にしている。同航空グループでは上半期を通じて需要に見合った貨物輸送能力の調整に取り組んだ。またボーイング777-300ER型機による運航頻度が増えたことに伴って、旅客機の貨物搭載スペースによる輸送量が増加している。香港国際空港の新貨物ターミナルも順調に操業を続けており、キャセイパシフィック航空グループ以外の顧客エアラインへのサービスの提供も開始している。
キャセイパシフィック航空グループでは新機材の導入を継続して進めており、2014年上半期にはボーイング777-300ER型機を2機、エアバスA330-300型機を2機、エアバスA321-200型機(香港ドラゴン航空)を1機の計5機を受領するとともに、2機のボーイング747-400型旅客機を退役させている。2013年にボーイング社と交わした包括的契約の一環として、同航空は計6機のボーイング747-400F型貨物専用機をボーイング社へ売却することで合意しており、このうちの4機はすでに駐機措置がとられており、2016年までには全6機がキャセイパシフィック航空を去ることになる。また2014年の上半期には11機のエアバスA340-300型機の退役の前倒しを計画。このうちの4機は2015年末までに、残る7機は2017年末までに退役させる。キャセイパシフィック航空グループは2014年6月30日の時点で、2024年までに受領する計90機の運航機材の発注を済ませており、2014年下半期にはキャセイパシフィック航空と香港ドラゴン航空で計11機の新機材を受領する。このうちの2機はすでに7月に受領、さらにもう2機を8月に受領する。これと併行して計4機のボーイング747-400型旅客機の退役を予定しており、このうちの2機は8月に退役させる。
キャセイパシフィック航空では今年3月に香港とドーハ、ニューヨーク(ニューアーク空港)をそれぞれ結ぶ路線で新たな旅客便の運航を開始。また12月には香港-マンチェスター線、2015年3月には香港-チューリッヒ線の開設を予定している。2014年上半期には香港とシカゴ、ロサンゼルス、大阪を結ぶ各路線での増便も実現している。また同航空ではアブダビ、カラチ、ジェッダへの運航を停止する一方で、他の中東方面への路線では運航スケジュールの改善を図っている。香港ドラゴン航空ではデンパサール(バリ島)、ペナンへの旅客便の運航を開始するとともに、数多くの既存路線で増便。貨物路線については香港からメキシコシティへの貨物便をグアダラハラまで延長した上で週2便から週3便へ増便。3月には米・オハイオ州コロンバスへの定期貨物便の運航を開始しており、10月にはカナダのカルガリーへの就航も予定している。
新しいビジネスクラス、プレミアム・エコノミークラス、エコノミークラスの座席はキャセイパシフィック航空が運航している全てのボーイング777-300ER型機と長距離路線用のエアバスA330-300型機への搭載を完了。中近距離路線用の新ビジネスクラスの座席についても対象となる全ての機材への搭載をほぼ終えている。ボーイング777-300ER型機で順次進めているファーストクラスのアップグレード作業も2015年3月の完了を予定している。香港ドラゴン航空の新しいビジネスクラスおよびエコノミークラスは全23機への搭載を6月末に完了。また新ファーストクラスを搭載した香港ドラゴン航空の運航機材は今年2月に運航を開始している。
同航空グループでは2014年上半期に関連会社である中国国際航空株式の持ち分に対する損失を計上(中国国際航空の決算発表の3ヶ月後に反映)。中国国際航空の業績は厳しい事業環境に加えて、人民元の通貨安に伴う多額の為替差損により大きな打撃を受けている。またキャセイパシフィック航空は6月、中国国際貨運航空への株主による多額の資本注入と貸し付けの実施を発表。これらは中国国際貨運航空による運航機材の刷新と主力貨物事業の改善に向けての資金として利用される。
キャセイパシフィック航空のジョン・スローサー会長は「キャセイパシフィック航空グループを含む航空産業全体を取り巻く環境は依然として厳しい。旅客事業ではさらなる競争激化によって平均旅客単価を維持するのに困難を強いられている。また貨物事業においても供給過多に起因する問題が続いており、激化の一途を辿る競争によって平均貨物単価は低下圧力にさらされている。明るい話題としては旅客ネットワークの増強と香港での乗り継ぎに際しての利便性向上が挙げられる。また、さらに磨きがかかった上質なプロダクトとサービスはより多くの旅客を魅了している。そして最新鋭の貨物専用機と新貨物ターミナルは長期的には航空貨物市場での優位性をもたらしてくれると期待している。
2014年下半期の業績はより好調になることが期待される。ビジネスを取り巻く環境は厳しいものの、我々は健全な財務基盤を維持しており、プロダクトとサービスの質を高く保つとともに長期的戦略に基づいた投資を継続する。そして従来通り、世界有数の航空輸送拠点である香港の地位向上に努めていく。最後に、今年7月、航空旅客の投票によって選ばれるスカイトラックスのワールド・エアライン・アワード2014で、キャセイパシフィック航空は通算4度目となる『エアライン・オブ・ザ・イヤー』の栄誉に輝いたことをとても嬉しく思う」と述べている。
本件に関するお問い合わせは
『キャセイパシフィック航空』広報
エンゴー株式会社 担当:佐藤優子、坂本徳土
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