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キャセイパシフィック航空 バイオ航空燃料開発企業に出資

キャセイパシフィック航空は持続可能なバイオ航空燃料の開発企業である米国のフルクラム・バイオエネルギー社(フルクラム社)への出資を発表した。航空会社によるフルクラム社への出資はキャセイパシフィック航空が初めて。今回の出資は同航空のバイオ燃料戦略の一環であるとともに、2020年以降の二酸化炭素排出量削減目標として掲げるカーボンニュートラルの達成に繋げていく。

 

都市固形廃棄物から持続可能な航空燃料、すなわちバイオ航空燃料への転換技術の開発・商業化で世界最先端を行くフルクラム社に対して、同航空は戦略的な株式投資を実施。今後の追加投資についても視野に入れている。

 

キャセイパシフィック航空のアイヴァン・チュー最高経営責任者は「持続可能なバイオ航空燃料の開発企業に出資する最初の航空会社となったことを喜ばしく思う。我々は航空産業が環境に与えている影響を認識すしていると同時に、環境への負荷軽減を図るために多くの取り組みを続けている。戦略的ビジネスパートナーとして求められるビジョンと技術ノウハウを兼ね備えたフルクラム社との提携は、バイオ航空燃料の実用化を促進する上で重要なものとなる。2020年以降の二酸化炭素排出量削減目標であるカーボンニュートラルの達成は、同航空による持続可能な成長戦略に含まれるもので、バイオ航空燃料は極めて重要な要素になる」と述べている。

 

キャセイパシフィック航空では今回の出資に加えて、フルクラム社から向こう10年間に3億7,500万ガロン(約14億2,000万リットル)の持続可能な航空燃料の供給を受ける長期契約を締結。これは現在の年間使用航空燃料の2%に相当する量で、供給される燃料は同航空が定める全ての技術的要件と規格に適合したものとなる。フルクラム社では今年後半に最初の商業プラントの着工を計画するとともに、同航空のネットワーク戦略を配慮した北米の複数地点で大規模な再生可能航空燃料の生産拠点を設けていく。

 

キャセイパシフィック航空のバイオ燃料マネージャーであるジェフ・オーヴェンスは「フルクラム社は大規模な施設において、都市ゴミから持続可能な航空燃料を生成する過程をすでに実証している。原材料については燃料生成過程の前段階で再利用可能なものが分類される。商業利用を目的とした生産技術の確立も実証済みであると同時に、燃料生産に必要となる原材料の供給も確保。これには当面、そして将来のさらなる開発に必要となる原材料も含まれている」と述べている。

 

フルクラム・バイオエネルギー社のジム・マシアス会長兼最高経営責任者は「世界を代表するプレミアム・エアラインであるキャセイパシフィック航空との戦略的パートナーシップ締結を光栄に思う。キャセイパシフィック航空は、航空産業に斬新かつ持続可能な航空燃料をもたらすという我々のビジョンを共有している。新しい燃料は従来の化石燃料と同じ分子構造を保ちながら、よりクリーンで炭素含有量も少なく、再利用可能かつ従来の化石燃料と比べて低コストだ。今回のキャセイパシフィック航空の出資は、バイオ燃料の市場への供給をより強く推し進めることにつながる。キャセイパシフィック航空とのパートナーシップはフルクラム社がすでに確保している原材料や、技術、個別の取引先に加わるもので、低炭素航空燃料を低コストで量産販売するという我々のビジネスモデルを強力に後押しするものに他ならない」と述べている。

 

マシアス会長兼最高経営責任者によると、フルクラム社の廃棄物燃料製造技術によって生成される航空燃料は、航空機や陸上の輸送車両で利用される際、従来の原油や他の化石燃料と比べてライフサイクル二酸化炭素排出量を80%以上削減することが可能となる。また最終的に埋立てられる固形廃棄物や生成の過程で発生するメタンガスの排出量も低減される。ちなみにメタンガスは二酸化炭素ガスの21倍の地球温暖化効果を有している。

 

キャセイパシフィック航空について

ワンワールド・アライアンスの創設メンバーであるキャセイパシフィック航空は現在、140機もの運航機材を保有し香港を拠点にアジア、北米、オーストラリア、ヨーロッパ、アフリカ方面の計180都市以上に旅客・貨物の定期便を運航している。同航空はスワイヤー・グループの一員として、香港証券取引所に登記されている。香港ドラゴン航空はキャセイパシフィック航空の全額出資航空会社であり、エア・ホンコンはキャセイパシフィック航空が60%を出資し、エクスプレス貨物をメインに貨物輸送を行っている。同航空は世界有数の航空輸送拠点である香港のさらなる発展に向けて巨額な投資を続けている。

 

フルクラム・バイオエナジー社について

カリフォルニア州プレザントンに拠点を置くフルクラム社は、低コスト、低炭素のディーゼル燃料やジェット燃料などの輸送燃料を一般廃棄物から効率よく生産する技術開発の先駆者である。未上場企業で大量生産も可能な一般廃棄物等の廃棄物をクリーンな再生可能輸送燃料の製造施設を保有、運用する。画期的となる再生可能燃料 の商用利用の早期実現にむけ、同社は戦略的に原材料の供給と生産技術を確保している。フルクラム社は将来的に再生可能燃料の安定供給および温室効果ガス排出量の削減と埋立て地への影響の最小化を目指している。フルクラム社についてはwww.fulcrum-bioenergy.comに案内されている。

 

本件に関するお問い合わせは

『キャセイパシフィック航空』広報

エンゴー株式会社 担当:佐藤優子、坂本徳土

TEL: (03) 6277-8118/FAX: (03) 6277-8119